ビジネスフレームワーク(経営戦略や業務改善、問題解決などに役立つ分析ツールや思考の枠組み)において、広く知られている手法としてPDCAサイクルとOODAループのふたつがあります。
PDCAサイクルとは
PDCAとは、「Plan(計画)」「実行(Do)」「評価(Check)」「行動(Act)」の頭文字を取ったもので、継続的に品質を管理するための手法です。
1950年代に米国の統計学者であるデミング博士によって提唱された考え方で、製造業などをはじめとして生産技術や業務品質を管理するための効果的な手法として、日本でも普及が進みました。
PDCAサイクルは、もともと工場の生産性を高めるために考案されたフレームワークです。
工場での生産速度や生産効率といった「決められた工程をいかに低いコストで進め、高い生産性を発揮するか」という課題に対する改善を図るのに最適だとされています。
PDCAサイクルは業務改善に最適なフレームワークですが、工程が不明確なものに対しての効果は薄いと言えます。
OODAループとは
いっぽうOODA(ウーダ)ループとは、1950年代にアメリカの軍事戦略家であるジョン・ボイド氏が発明した、先の読めない状況で成果を出すための意思決定方法です。
OODAループもPDCAサイクルと同じように4つのステップに分かれています。そのステップとは、「観察(Observe)」「仮説構築(Orient)」「意思決定(Decide)」「実行(Act)」の頭文字を取ったもので、意思決定をするための手法です。
Observe:五感を駆使して、まずおかれた状況を観察します。顧客や市場など、自社と関連の深いものを観察してデータを収集します。
Orient:得られた情報と過去の経験や知識を駆使して、状況を判断し、今後の方針を策定します。
Decide:考えられる選択肢から、具体的な戦略や行動について意思決定を行います。
Act:決定されたことを速やかに実行に移します。
一回目のOODAループ「実行(Act)」が終わると、二回目の「観察(Observe)」が始まります。
前回に実行したことによって、新たな状況が生まれているかも知れません。
4つのステップを繰り返しながら、より高い目標を設定してゆくことが可能となります。
このようにPDCAサイクルのような業務改善ではなく、常に変化していく不明確な状況の中で、現状にあるものから最善の判断を下し、即座に行動を起こすことを目的としています。
PDCAサイクルは業務改善といった「やり方(How)」を考え、OODAループは起業や事業開発といった「考え方(What)」を考えるのに効果的なフレームワークと言えます。
新型コロナウィルス流行はじめ予測できない変化がおこり続けるニューノーマル時代の経営戦略にとっては、スピードと柔軟な発想力が必要とされるOODAループこそ採用されるべきフレームワークと言えるでしょう。
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