これまでMatterportが提供していたiPhone用アプリ「Matterport Capture」を使用すれば、スマートフォンだけでデジタルツインの作成のための撮影が可能でした。
しかし、この撮影方法では撮影者がカメラを既製の三脚や手持ちで回転軸の中心に構えるのが難しく、撮影画像にかなりのズレが生じていました。
2022年7月に日本国内でも発売されたMatterport Axisを使用することで、画期的なモーター駆動式の自動回転雲台を使い、多くの空間を簡単かつ高精度でキャプチャーすることが可能になりました。
さらに、iPhone 12 Pro以降などのLiDAR(光を用いた検知と距離測定機能)対応デバイスを使用すると、高精度な3D表現も可能となります。
Matterport Axisのセットには以下の製品が含まれています。
- スマートフォンを固定するアーム付きの自動回転雲台
- 小型軽量の専用三脚
- ハンズフリーな操作が可能となるリモートスイッチ
- コンパクトなキャリーケース
撮影作業は非常に簡単で、iPhoneなどのスマートフォンとMatterport Axis(自動回転雲台と三脚)のみが必要です。
1. iPhone用アプリ「Matterport Capture」を起動します。撮影の前にiPhoneとMatterport Axisの接続を確認してください。
2. まず「Matterport Capture」で「ジョブ」を新規に作成します。
3. そして白い円の中に●が収まるようにカメラを傾け、ネジで固定します。
4. シャッターボタンを一度押せば、iPhoneが設置されたアームの上部が時計回りに自動的に60度ずつ回転し、計6カットの撮影を始めます。
大体1カット10秒で合計で1分くらいでしょうか。撮影者自身の姿が写り込まないように注意しながら三脚を周りましょう。
リモートスイッチを使って離れた位置からの撮影もできます。リモートスイッチは三脚の右側面に取り付けられており、底面が磁石なので取り外し可能です。
5. 前の撮影位置から2〜5メートル以内で次の撮影位置を決めてください。
Matterport Axisは静止画撮影をすると同時にLiDAR(光を用いた検知と距離測定機能)を使って3Dポリゴンを生成しています。
あまり距離が離れると正確な3Dポリゴンの生成に支障が出てエラーとなります。
またドアが閉まっていると隣の部屋とのつながりを判別できなくなるようです。
撮影位置の場所ぎめは習熟が必要ですね。鏡や窓ガラスも余分なデータを生成してしまうので、アプリメニューの「マーク機能」で位置を指示してください。
6. 撮影が終了したデータをMatterportのクラウドサーバへアップします。
20〜30箇所ほど撮影したデータをアップロードした場合、クラウドで処理され「スペース」の生成まで30分ほどかかりました。
7. その後、PCから「スペース」にアクセスし、タグの設置や不要ポリゴン削除などの編集を行います。
8. 最後にURLを発行すれば、撮影したデジタルツインが公開となります。
下記のデジタルツインの場合、撮影から編集、そして公開まで約2日かかりました。
上位モデルであるMatterport Pro2(2023年5月時点で600,000円程度)やMatterport Pro3カメラに比べると撮影された画質と作成された3Dモデルは、やや精細さに劣るのは否めません。
しかしながらMatterport Axisは手頃な価格(2023年5月時点で15,000円程度)で提供され、様々な分野のニーズに応えます。
例えば、建設現場での活用が進めば、作業現場の従事者がスマートフォンで周辺環境を360°確認したリアルで高品質なデジタルツイン工事報告書が手軽に作成できます。
その結果、工事の進捗・品質管理者は、作業現場の状況把握がしやすくなり、生産性向上の面におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進することができます。
またワンルームマンションや飲食店など、デジタルツイン導入に作成費用の面で二の足を踏んでいた不動産や飲食業の方々にも朗報となることでしょう。
まずはMatterport Axisとスマートフォンによるデジタルツイン作成を体験し、そのすぐれたコストパフォーマンスを比較してみてはいかがでしょうか。
ヒューマンデジタルコンサルタンツ社では、Matterport(マーターポート)の撮影だけでなく、VRや3Dモデルを活用したWebプロモーションの提案も行っております。
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