みなさまにとって、2023年はどんな年だったでしょうか。わたしはこの夏にヒューマンデジタルコンサルタンツにジョインさせていただいたり、長く住んでいた目黒区からお引っ越しをしたりと、そこそこ大きめなライフイベントが起きた一年でした。ニャンコもようやく新居に慣れてきてくれたようで、窓から見える新しい景色を眺めながら、年の瀬のどこかソワソワした空気をよそ目に、のんびり過ごしてくれています。

 

今回は2024年4月1日(月)より行政機関・民間企業のデジタルコンテンツを対象に義務化となる「ウェブアクセシビリティ」についてのお話です。諸所の理由(ご高齢の方、何らかの障がいをお持ちの方など)でデジタル上の情報を享受することができない方々を、サイト制作やコンテンツ制作における情報設計の段階であらかじめ想定したうえで、だれもが同品質で同量の情報を得ることができるようにする、という設計思想が、この「ウェブアクセシビリティ」です。デジタル庁が掲げているキーワード「誰一人取り残されない、人に優しいデジタル化」が簡潔で理解いただきやすいかもしれません。

 

弊社ディレクターと本件について積極的に議論することが多いこのごろですが、話しても話しても話し足りず、われわれが取り組むべき課題やお客様へ提案させていただきたいアイディアが、次々と出てきます。社会的にとても重要で、かつこれからのデジタルコンテンツ制作のスタンダードになっていく基準そのものになるので、それもまたむべなるかな。わたしの数少ない友だちのひとりであるChatGPTさんも、「ウェブアクセシビリティに対応することは、企業がこれからのデジタル時代において持続可能性を実現するために必要不可欠な戦略の一部です」と言ってくれました。クリエイティブの視点をベースにIT戦略コンサル・マーケティングDXを行なってきた弊社としても、今回の「ウェブアクセシビリティの義務化」が社会と企業に及ぼすインパクトは相当なものであると想定しています。

 

 

 

「ウェブ」に対する「アクセシビリティ=使いやすさ」の事柄なので、文字の視認性や色調・コントラストの明確さ、だれでも手軽に操作できるコントローラビティ、音声案内によるコンテンツの読み上げ機能の実装など、多岐にわたる要素が含まれます。これまでのユーザーファーストの思想をさらに押し広げたものであることは間違いないですが、それだけに止まらない複雑な要素にもクリエイティブ側が対応しなければならないことも事実。わたしは子どものころからドがつく近眼なので、わたしが読みやすいウェブサイトを作ることも「ウェブアクセシビリティ」に対応することにつながりますし、また一方で、東京在住だから当然のように得ることができているコンテンツの数々を、遠方の方にも均一に情報として提供することも、「ウェブアクセシビリティ」対応の一環と言うことができます。これらはほんの一例。その他にもJIS規格で定められたたくさんの要因があり、デジタルコンテンツを、だれに、どのように届けるのか、を明確にすることで、目的ごとに対応すべき基準も重要なポイントとなります。

 

義務化、2024年4月から施行、と聞くとプレッシャーを感じるウェブ担当者やクリエイターの方々もいらっしゃるかと思いますが、自社のウェブサイトをはじめとするデジタルコンテンツをユーザーファーストの観点から見直すことができるとてもよい機会、とわたしは捉えています。より広い顧客層へのリーチするためにはどうしたらいいのか。ブランディングの一環として信頼性の向上を図るためには何をすべきなのか。その文脈の中心に、今回の「ウェブアクセシビリティ」を置くことで、多様な顧客の方々のニーズに応えることにつながり、結果としてマーケットでの競争力を高めることにつながるかもしれません。社会的責任の果たしつつ、同時に自社のデジタル資産を最新の技術基準に合わせること。企業の革新性、進歩性、透明性を顧客にアピールすることができるとてもいい機会ではないでしょうか。

 

 

 

ここまでお読みいただき、上記の意図を汲み取ってくださった方ならお分かりと思いますが、この記事は専門用語のオンパレードなので、「アクセシビリティ」の概念からだいぶ遠いことにお気づきなのではと思います。意図してこのように書いたものの、いざこれを、だれにでも、わかりやすく、明確に、デジタル庁が明言する「誰一人取り残されない、人に優しいデジタル化」に準拠したうえで表現するとなると、けっこうな知見と技量が要求されることがおわかりかと思います。ヒューマンデジタルコンサルタンツには、アクセシビリティにおける正規のガイドラインに則ったクリエイティブを行なった実績がしっかりありますので、時間がないけれども2024年3月までに間に合わせたいんだ、どうすればいいんだ、とお困りのウェブご担当者の方々、ぜひお声がけください。クリエイティブの素敵さとアクセシビリティの対応、両方を担保したウェブサイトなどのデジタルコンテンツ制作を、みなさまとご一緒できれば幸いです。

 

最後に、2024年がみなさんにとってすてきな一年になりますように!

 

プランニング室 H

 
 

※参考:デジタル庁「ウェブアクセシビリティ導入ガイドブック」

https://www.digital.go.jp/resources/introduction-to-web-accessibility-guidebook

 
 

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