NFT(Non-Fungible Token:非代替性トークン)とは、替えが効かない暗号資産という意味で、ビットコインなどの仮想通貨と同じくブロックチェーン上でやりとりされるデータのことです。
NFTは2015年の登場以来、その市場は急成長しており、アートやゲームなどの領域において次々と新しいアイテムが生み出されています。
ドットで描かれたアイコンやゲームのレアアイテムが高値で取引されたり、デジタルカード化されたプロスポーツ選手とその名シーンを集めたコレクションゲームが大ヒットしたりとNFTは世間の注目を集めています。
NFTになったドット絵アート
デジタルデータは音楽や画像、長時間の動画でも簡単に複製をすることができます。便利な反面、絵画や映像作品のオリジナリティを証明することが難しくなります。
そこで、ブロックチェーンの仕組みを使って、特定のデータに対し本物だという証明を与えたものがNFTです。
ブロックチェーンでは、一つのサーバにデータを集約するのではなく、ピアツーピア(P2P)ネットワーク方式によって複数台のサーバで保管するので偽造は不可能、唯一無二であることを証明してくれます。
所有したデータは他者に高値で取引することも可能になり、売買履歴や過去の所有者はブロックチェーン上に記録されていきます。
最古のNFTプロジェクトのひとつCryptoPunksは、AIがランダムに作成したドット絵アートです。
CryptoPunksには、合計で10,000枚のNFTアートがあります。
プロジェクトの開始時の2017年ごろは、無料で配布されていました。
そして今や、NFTアートの中の1枚(画像左上の青い顔)が史上最高額となる27億円で売却されるまでに希少価値が上がりました。(2022年2月時点)
NFTになったツイート
2021年3月22日(米国時間)、Twitterの共同創設者でCEOを務めるジャック・ドーシー氏は最初のツイートのNFTをおよそ291万ドル(約3億1500万円)で販売しました。
この「私のTwitterを設定したところ(just setting up my twttr)」というツイートは、投稿された日がTwitterの創立日になっていることで有名です。
落札者はマレーシアのブロックチェーン企業のCEOハカン・エスタビ氏でした。
ただしエスタビ氏がドーシー氏のTwitterアカウントを得たわけではなく、ただツイートの所有権を得ただけです。
現在でもそのツイートは誰でも見ることができるし、リツイートもできます。NFTとして第三者に落札されてからも何も変わりません。
そのツイートのNFTは今後、エスタビ氏によって他者への転売も可能です。
いよいよデジタルデータでも無形資産として認められる時代となったのです。
ドーシー氏のツイートによると、販売で得た資金はアフリカのCOVID-19感染症対応のための非営利団体Give Directlyに寄付されました。
NFTにはチャリティーの募金活動と相性が良い一面もあります。
NFTになった音楽データ
日本でも2021年12月21日、坂本龍一氏が演奏した「Merry Christmas Mr. Lawrence」のメロディーを595音に分割した1音ずつのNFTが発売されています。
その収益金は、国境なき医師団やペシャワール会など非政府組織(NGO)へ寄付されるそうです。
誰でもお気に入りのアーチストのデジタルデータがNFTとして所有でき、また自由に価格をつけて転売することも可能となりました。
クリエイターが製作したNFTを販売(一次販売)したり、利用者同士がそれぞれ保持しているNFTを仮想通貨にて売買(二次販売)したりできるNFTマーケットプレイスも年々取引が活発になっています。
しかしながら問題点もまだいくつかあり、決済方法は主に仮想通貨を使用するため、NFTを始めるには手続きに様々な手間がかかるのが現状です。
今後、法整備や制度が改正されていくのでしょうが、現時点では投機的な傾向があり、100%の安全が保障されているものではないと認識しておきましょう。
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