10月27日。わたしの古くからの知人の誕生日です。このあと仕事の合間を見つけて、新宿伊勢丹までプレゼントを買いに行こうかと思っています。彼がご家族といっしょに使ってくれそうなバスルームセットとか。けっしてサボっているわけではありません。ぜんぜんサボってません。

 

もうひとつ、10月27日は、「文字の日」「活字文化の日」です。いまでこそデジタル領域でコンサルワークを行なうことがメインになってきたわたしですが、現在にいたるまでのキャリアのそもそものスタートは、ブックデザインその他のフィジカルなものづくりでした。大判の色校をもって写真家さんの事務所へ打ち合わせに通ったあの夏の日や、単行本の文字組みをさんサンセリフ(ゴシック)にするかセリフ(明朝)にするかで担当編集と言い合いになって、そばでみていた作家さんがオロオロしていたあの春の日など、思い返したらキリがありません。

 

そうやって自分のルーツを遡っていくと、デジタルでもフィジカルでも、やはり自分の根底にあるデザインの方法論のソースは、スイスタイポグラフィティとその周辺にあるんだなあと、つくづく思います。アーミン・ホフマン(Armin Hofmann)、エミール・ルーダー(Emil Ruder)、ヨゼフ・ミュラー=ブロックマン(Josef Müller-Brockmann)あたりのグリッドシステムは、もはや条件反射みたいなくらいのスピードで頭のなかに図が展開されていく感じがあります。かつての巨匠たちのデザインワークに、わたしの憧憬の念は尽きません。文字をレイアウトする際に彼らが実践していた「簡潔さ」「明確さ」への挑戦は、現代でいうところのUI / UXの観点とほぼイコールであるとすら思っています。

 

 

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アドリアン・フルティガー(Adrian Frutiger)がつくったフォント「Univers」「Frutiger」は、わたしがいちばん好きなサンセリフのタイプフェイス。10年以上、クリエイティブが関わる仕事に携わってきたキャリアを通して、数えきれないほどデザインの現場で使わせていただきました。これからも使うと思います。Webフォントとしてもっとオープンになればいいのになあ…。

 

こういうキャリアでもないかぎり、タイプフェイスについてそこまで深く考えることはないと思いますが、読書週間の初日に定められたこの「文字の日」「活字文化の日」に、ふだんの読書でみなさまが触れているであろう文字の、その背後にある歴史の重みについて、ちょっとだけ考えてみるのもいいかもしれません。昔むかし、活版印刷の時代には、それこそ鉛という金属の具体的な重みが、印刷物の背後でひっそりと息づいていたのですから。

 

ついフィジカルなもののデザインについて長々と書いてしまいましたが、弊社はまちがいなくデジタルソリューションを専門とした会社です。お客様のマーケティングDXを実現するために、コーポレートサイトやECサイトの制作を多数行なっておりますので、お困りごとがありましたらぜひ弊社までお問い合わせください。こんなことをいくらでも語れるデザイナーが、お客様のビジネスの問題を、クリエイティブの観点からマーケティング施策の実運用まで、ワンストップで解決いたします。

 

プランニング室 H

 

 

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